この記事の登場人物

AIくんなんでも調べる相棒(私)。事実と出典を、静かに並べます。
とぐち(渡久地)見た目は子ども、中身は沖縄のWeb屋の40代(僕)。「つまりどういうこと?」を現場目線で聞きます。
この記事の要点
  • 令和9年度の沖縄振興予算の概算要求が、2026年8月31日に公表されました。総額2,897億円。前年度の予算2,647億円より250億円多い要求です。
  • ただし、これは要求であって決定ではありません。直近4年は、いずれも要求より少ない額で決着しています。削られた幅は119億円から242億円でした。
  • 決まるのは12月です。
  • 事業者に関係する動きは2つ。沖縄公庫に入れるお金の増額要求と、税の優遇が受けられる地域を県内全域に広げる要望。どちらも12月に決まります。

ニュースで「沖縄振興予算2,897億円」って見たんだけど。これ、僕らに関係ある話なのかな。

今日出たのは「概算要求」です。各省庁が8月末までに財務省へ出す要求書のようなもので、決まった額ではありません。

え、じゃあこの2,897億円は確定じゃないの?

確定ではありません。これから財務省が中身を見て削っていく作業があって、政府案として決まるのは例年12月下旬です。

……ニュースの見出しだけ見てたら、決まったと思うところだった。

それと、最初のご質問の答えですが。この2,897億円のうち、沖縄の中小企業が申請できる形で出てくるお金は、ごく一部です。

一部か。

大きいところは道路や港湾、学校の改築、大学の運営費です。事業者向けの入口は3つくらいで、県や市町村の補助金の原資になる一括交付金、沖縄公庫の融資、それから税の優遇です。

じゃあ、その3つを見ておけばいいのか。

今日の資料で動きがあったのは、そのうち2つです。あとで見ます。

まず、数字だけ

内閣府沖縄担当部局が公表した令和9年度沖縄振興予算概算要求の概要から、大きいところを拾います。カッコ内が令和8年度の予算額です。

  • 総額 2,897億円(2,647億円)
  • 公共事業関係費等 1,342億円(1,254億円)
  • 沖縄振興一括交付金 783億円(736億円)
  • 沖縄科学技術大学院大学(OIST)関連 239億円(200億円)
  • 沖縄振興特定事業推進費 100億円(95億円)

ひとつ、先に断っておきます。この2,897億円には、国土交通省の予算に計上される空港整備の分(自動車安全特別会計空港整備勘定計上分)が入っています。内閣府だけの分では2,791億3,900万円です。このあと過去の年と比べるときは、どの年も空港の分を含んだ数字どうしで並べています。

新しく立った事業が5つあります。フィジカルAI開発・実装促進事業(11億円)、沖縄型エネルギー低炭素化・資源活用促進事業(9億3,000万円)、沖縄南部崖地廃棄物等除去特別対策事業(2億8,700万円)、沖縄黒糖製造業人材確保等支援事業(1億円)、量子×AIユースケース創出事業(1億円)。合計で25億1,700万円です。

また、金額を空欄のまま「必要になったら要求します」と出しておく項目(事項要求)が、これとは別にあります。中身は防災・減災・国土強靱化の関係です。

一括交付金っていうのが、よく聞くけどよく分かってないんだよね。

資料の説明はこうです。「沖縄の実情に即してより的確かつ効果的に施策を展開するため、県が自主的な選択に基づいて実施する沖縄の振興に資する事業等を推進」。

つまり、使い道を県が決められるお金?

そういう性格のものです。2種類あって、人と仕組みに使うのがソフト交付金、建物と土木がハード交付金。要求はソフトが358億円、ハードが425億円です。

ソフトって、具体的には。

離島医療体制確保支援事業、子育て総合支援事業、沖縄DX推進支援事業といった事業名で出てきます(沖縄県 ソフト交付金事業例)。交付率は8/10です。

8/10って、何の8割なんだろう。

事業費のうち、国が出す割合です。1億円の事業なら8,000万円が国で、残りの2,000万円は県か市町村が自分で用意します。

じゃあ、市町村にお金がないと、国の枠が余っていてもその事業は立たないのか。

そういう構図にはなります。

もうひとつ。新規のフィジカルAI、量子×AI、エネルギー低炭素化に加えて、沖縄先端医療技術基盤形成促進事業と次世代情報通信基盤実装調査事業の計5事業に、「『強く豊かな日本』投資枠」という表示が付いています。この投資枠に入れた事業は、要求する金額に上限を設けなくてよいというルールになっています(令和8年7月30日 閣議了解)。

上限なしの枠があるんだ。

要求のときだけです。上限がないのは「いくらでも書いていい」という意味で、「いくらでも通る」ではありません。

……じゃあ、この枠に乗っている事業ほど、12月に削られる余地も大きいのかな。

そこは公表資料からは分かりません。今年の5事業がどうなるかは、12月に確かめられます。

要求は、毎年そのまま通っていない

内閣府の沖縄振興予算・決算のページには、各年度の要求額と、実際に決まった額の両方が載っています。並べるとこうなります。

年度 要求 決定
令和4年度 2,684億円
令和5年度 2,798億円 2,679億円 △119億円
令和6年度 2,920億円 2,678億円 △242億円
令和7年度 2,820億円 2,642億円 △178億円
令和8年度 2,829億円 2,647億円 △182億円
令和9年度 2,897億円 12月に決定

……4年連続で削られてる。

削られた率は4.3%から8.3%です。金額でいうと119億円から242億円。

しかも決定のほうは、2,642億円から2,679億円の間にずっといるね。ほとんど動いてない。

令和4年度の2,684億円まで入れても同じ範囲です。要求額は年によって100億円くらい上下していますが、決定額の振れ幅はそれより小さい。

つまり、要求が増えても、着地はだいたい同じところ。

過去5年についてはそう読めます。今年もそうなるとは限りませんが。

直近4年の平均で削られたら、いくらになるの。

4年の削り幅は平均で6.3%です。2,897億円から同じだけ引くと、2,714億円前後になります。

……それ、決定額がずっといる範囲より、少し上だね。

30億円ほど高く出ます。

ということは今年は、過去より深く削られるか、着地の水準そのものが上がるか、どっちかということか。

そのどちらかが起きないと、この数字にはなりません。筆者の計算で、公表された数字ではありません。

増えたもの、減ったもの

総額は250億円の増額要求です。ただ中を見ると、減っている事業もあります。読者に近そうな4つを挙げます。

  • 沖縄振興開発金融公庫補給金(県内向け政策金融の原資):9億5,500万円 → 50億円
  • 次世代情報通信基盤実装調査事業(オール光や6Gの実証):8,000万円 → 2億6,000万円
  • 沖縄型スタートアップ拠点化推進事業(起業支援):4億2,000万円 → 3億円
  • 沖縄型産業中核人材育成・活用事業(専門人材の育成):1億8,400万円 → 1億5,000万円

そのほかの主な増減は、次のとおりです。

事業名 何の事業か 前年度 → 要求
OIST学園施設整備費 大学院大学の建物 8億1,800万円 → 17億900万円
駐留軍用地跡地先行取得 基地跡地の土地の買い取り 50億5,000万円 → 70億9,500万円
沖縄先端医療技術基盤形成促進 医療技術の研究から実用化まで 6億200万円 → 10億円
沖縄航空関連産業クラスター形成促進 航空整備産業の集積調査 1億2,900万円 → 5,000万円
沖縄農林水産物条件不利性解消 県産品の輸送コスト補助 18億5,500万円 → 16億5,000万円

これ、気になるな。新しいAIに11億円をつける一方で、スタートアップ支援と人材育成は減らしてる。

数字としてはそうなっています。ただ、資料には理由の記載が見当たりません。事業の段階が変わったのか、別の事業に統合されたのか、公表資料からは分かりません。

そうか。……あと、いちばん上の公庫のところ。9億5,500万円から50億円って、5.2倍だよね。

要求としては5.2倍です。うちは借入があるので、と思われるかもしれません。

思ってる。

この中で、いま自分に関係しそうな2つ

ひとつめ。沖縄公庫に入れるお金が5.2倍の要求

説明文にはこうあります。

物価上昇等の影響を受けている企業への支援等による損益収支差に対する補給金を支出するとともに、「新事業創出促進出資」の原資を積み増し、同公庫による沖縄県内のスタートアップに対する支援の取組を強化する。

5倍か。それって、金利が下がるということ?

そうとは書かれていません。この「補給金」は国が公庫に入れるお金で、借り手に直接渡るものではありません。財務省の資料では「当該年度における公庫の事業計画等を基礎に計算した損益収支上の不足額を一般会計より受け入れる」と定義されています。

公庫の帳簿の穴埋め、ということ?

そう言い切るのも正確ではありません。内閣府の資料は、この補給金を「長期・低利の資金を円滑かつ安定的に供給する」ためのものだと説明していて、セーフティネット貸付などの原資として位置づけています。

……つまり、借りる側の金利が下がるとは限らないけど、低利で貸せる体力を国が支えている、というくらいか。

そこまでです。補給金が増えれば金利が下がる、という関係を示した資料は見つけられませんでした。

分かった。期待しすぎないでおく。

もうひとつ、この記事の主題に直結する事実があります。この補給金は、毎年これくらいの増額を要求して、毎年同じ額まで削られています。

  • 令和7年度:要求38億6,800万円 → 決定 9億5,500万円
  • 令和8年度:要求26億2,600万円 → 決定 9億5,500万円
  • 令和9年度:要求50億円 → 決定は12月

2年続けて、要求の4分の1から3分の1あたりに圧縮されています。ですから「5.2倍に増える」ではなく「5.2倍を要求した」が正確な書き方になります。

ただし、コロナ期には補正を含めて70億円前後を執行した年もあるので、50億円という額そのものが前例のない水準というわけでもありません。

ふたつめ。税の優遇が、県内全域に広がるかもしれない

税制改正の要望が11件出ています。そのうち1件が、こう書かれています。

拡充:情報通信産業振興地域の対象地域を県内全域へ拡大
縮減:対象業種からバックアップセンター業を除外

情報通信産業振興地域というのは、税の優遇が受けられる地域の指定です。いま指定されているのは24市町村で、県内41市町村のうち17は入っていません。

……うちの町が入っていなかったら、いままでは対象外だったってことか。

そうなります。指定されているのは那覇、宜野湾、石垣、浦添、名護、糸満、沖縄、豊見城、うるま、宮古島、南城の11市と、本部、恩納、宜野座、金武、読谷、嘉手納、北谷、北中城、中城、西原、与那原、南風原、八重瀬の13町村です。

11市は全部入ってるんだ。

入っていないのは、国頭、大宜味、東のやんばる3村と、離島の町村です。伊江、渡嘉敷、座間味、粟国、渡名喜、南大東、北大東、伊平屋、伊是名、久米島、多良間、竹富、与那国、それに今帰仁。

要望が通れば、その線引きがなくなる。

なくなります。ただ、指定されていない側を名指しで列挙した公的資料は見つけられませんでした。いまの17町村は、県が公表している指定24市町村を全41市町村から引いた、筆者の差分です。

優遇の中身は、沖縄県の手引き(令和7年4月)に書かれています。国税は投資税額控除で、機械・装置等は取得価額の15%、建物・附属設備は8%。地方税は事業税が5年間、固定資産税が5年度分、不動産取得税が課税免除です。

ここで大事な違いがあります。国税の投資税額控除は青色申告法人だけで、個人事業主は使えません。一方、地方税の課税免除は個人事業主も対象です。

対象業種は7つ。ソフトウェア業(受託開発と組込み)、情報処理・提供サービス業、インターネット付随サービス業、電気通信業、放送業、映画・放送番組制作業、情報記録物製造業です。設備は新設か増設に限られ、機械・装置等で100万円超、または減価償却資産の合計で1,000万円超。資産を取得する前に認定を受けておく必要があります。従業員数の下限はありません。

うちみたいなWeb制作は、この7業種に入るのかな。

そこは断定できません。手引きに「Web制作業」という語は出てきません。受託でシステムを作るならソフトウェア業に当たりますが、Web制作やデザインが日本標準産業分類のどれになるかは、事業者ごとに違います。

自分では判断できないってことか。

相談窓口があります。沖縄県産業振興公社の沖縄特区・地域税制活用ワンストップ相談窓口、098-894-6377です。認定は沖縄県知事が出して、そのあと内閣府の確認という順番になります。

……ちなみに、この制度って何社くらい使ってるの。

内閣府の資料では、令和6年度の適用が国税6件、地方税97件です。令和5年度は7件と96件、令和4年度は9件と85件。

少ないなあ。県内の情報通信関連は何社あるんだっけ。

県の調査では899社です(令和7年3月末現在)。

899社に対して年100件か。……知られていないのか、要件が合わないのか、どっちなんだろうね。

そこは資料からは分かりません。

いつから使えるかも書いておきます。税制改正は、12月下旬の与党税制改正大綱に載って、2月ごろに法案が国会へ出て、3月に成立し、4月1日に施行されるのが通例です。令和7年度の改正はその日程で動きました。ですから今回の拡大が実現するとしても、使えるのは最短で令和9年(2027年)4月1日からです。12月の大綱に載らなければ、そこで消えます。

なお現行制度の適用期限は令和9年3月31日です。バックアップセンター業を外す理由を説明した資料は、2026年8月31日時点では見当たりませんでした。

最初の問いに戻ります

この2,897億円のうち、6人の会社が来週動かせるお金は、ありません。要求の段階なので、公募も要綱も出ていないからです。それは記事の書き方の問題ではなく、いまがそういう段階だということです。

来週ではなく年度内で見るなら、見る場所は決まっています。借入があるなら12月の決定と、そのあとに公庫が出す商品の案内。IT関連なら12月の与党税制改正大綱に、情報通信産業振興地域の全域拡大が載るかどうか。この2つのほかに、今日の資料から事業者が個別に動ける先は、読み取れませんでした。

11億円の「フィジカルAI」とは何か

新規事業でいちばん大きいのが、フィジカルAI開発・実装促進事業の11億円です。資料の説明はこの1文だけです。

人手不足や生産性の向上等、沖縄が直面する課題の解決に向けて、フィジカルAIの開発・実装に向けた取組を支援する。

フィジカルAIって、何。

画面の中で答えを出すのがこれまでのAIで、体を持って現実の物を動かすのがフィジカルAIです。ロボットや自動運転が入ります。

ああ、それなら分かる。

政府の書き方だと、こうなります。「現実世界を理解して物理的行動を生成するフィジカルAIについては、自動運転、工場やインフラの管理、人との協働を実現する自律型ロボットなどの開発導入を推進する」。令和8年7月に閣議決定された人工知能基本計画です。

この言葉、前からあった?

閣議決定の文書で確認できた範囲の初出は、令和7年6月の統合イノベーション戦略2025です。同じ月に出た骨太の方針2025には出てきません。骨太の方針2026には出てきます。

……去年の6月に出てきた言葉が、もう予算の事業名になっているのか。

11億円が何に使われるのかは、この1文以上のことが書かれていません。一括交付金を経由するのか、内閣府の直轄なのか、公募になるのかも、要求資料からは読み取れませんでした。

「人手不足」を、統計で確かめる

事業の趣旨にある「人手不足」を、公的統計で見るとどうなるか。足元の数字は、単純ではありません。

まず用語をひとつ。有効求人倍率は、仕事を探している1人に対して求人が何件あるかを示す数字です。令和8年7月の沖縄は、働く場所で数えると1.07倍、求人を受け付けた場所で数えると0.93倍でした。全国は1.18倍です(沖縄労働局厚生労働省)。

正社員に限ると0.76倍。完全失業率は3.0%です(沖縄県 労働力調査)。

産業別の新規求人を前の年の同じ月と比べると、こうなります。

  • 生活関連サービス業・娯楽業 +25.2%
  • 医療・福祉 +9.8%
  • 建設業 △2.2%
  • 宿泊業・飲食サービス業 △3.2%
  • 情報通信業 △48.0%

情報通信業の新規求人が、前の年の半分近くまで減ってる。

令和8年7月の1か月分ですが、△48.0%です。

沖縄でIT系の求人が半分になっている年に、国はAIに11億円をつけようとしてる。これ、どう読めばいいんだろう。

資料はその2つを結びつけていません。理由の説明もありません。

説明がないなら、考えられる形を並べてみようか。

ひとつは、コールセンターや事務の求人が減っていて、開発の求人はそれほど減っていない、という形です。産業分類が同じなので、この統計では区別できません。もうひとつは、1か月の振れです。前の年の7月が多かった可能性もあります。

三つ目もあると思う。人を採らなくなった理由が、AIだという形。

それは、この統計からは言えません。

言えないね。……ただ、同じ資料の税制改正要望では、優遇の対象からバックアップセンター業を外す方向が出ている。国が重く見る業種は、動いているんだと思う。

要望の理由までは書かれていません。ここは筆者の読み方です。

※沖縄の完全失業率3.0%は原数値、正社員有効求人倍率0.76倍も原数値です。全国の完全失業率は同月2.4%と報じられていますが、そちらは季節調整値なので単純には比べられません。

沖縄の人口は、もう増えていない

令和7年国勢調査の速報に、こう書かれています。

令和7年10月1日現在の本県の人口は1,468,220人で、令和2年国勢調査(以下「前回調査」という)から5年間で740人、0.1%増加した。

5年で740人。ほぼ横ばいです。世帯数は6.1%増えて、1世帯あたりの人員は2.25人まで減りました。

人口が横ばいで、世帯だけが増えていく。1世帯あたりの人数が減るということは、暮らしを回すのに必要な手間が世帯の数だけ増えるということでもあります。この形が続くなら、機械に任せられるところは任せる方向に予算が向くのは筋が通ります。ここは筆者の読み方です。

これから、どこを見るか(筆者の見立て)

12月の決定で見るところは3つだと思っています。

ひとつは総額です。2,714億円という試算より上に着地したら、この5年の形が変わったということになります。

ふたつめは公庫の補給金です。50億円の要求が、また9億5,500万円まで戻るのか。3年続けて同じ額なら、それはもう「毎年そういう要求をする項目」だということになります。

みっつめは、新規5事業がいくつ生き残るか。「強く豊かな日本」投資枠に乗せた事業が、実際にどれだけ通るのか。今年が最初の年なので、比べる先がありません。

一括交付金の事業は、県と市町村が後から成果を公表しています。フィジカルAIも同じ経路をたどるなら、11億円が何になったかは、いつか確かめられます。

まとめ

  • 概算要求2,897億円は、決まった額ではない。直近4年はいずれも要求より少ない額で決着し、削られた幅は119億円から242億円だった
  • 決定額は5年間、2,640億円台から2,680億円台に収まってきた。要求だけが上下している
  • 事業者に近い動きは2つ。沖縄公庫への補給金50億円の要求と、情報通信産業振興地域を県内全域に広げる税制の要望
  • 公庫の補給金は、過去2年とも要求の4分の1から3分の1まで削られている。増えると決まったわけではない
  • 税制の拡大が実現しても、使えるのは最短で令和9年4月1日から

12月下旬、政府案が閣議決定されます。そこで出る数字が、県の予算になり、市町村の補助金の枠になり、公庫の案内になります。事業者のところに届くのは、その先です。

2,897億円という数字を覚えておく意味があるとすれば、12月の数字と引き算するためです。その差が、毎年この予算で起きていることです。

確認できなかったこと

  • フィジカルAI事業の執行方法、公募の有無、補助率。要求資料に記載が見当たりません
  • 各事業の増減の理由。同じく記載が見当たりません
  • 情報通信産業振興地域に指定されていない17町村を名指しで列挙した公的資料。本文の一覧は、県公表の指定24市町村を全41市町村から引いた筆者の差分です
  • 今回の税制改正要望に適用期限の延長が含まれるかどうか。要望表から読み取れませんでした
  • バックアップセンター業を除外する理由
  • 補給金50億円の算定根拠。令和9年度の財政投融資計画要求書は未公表です
  • Web制作業・デザイン業が対象業種に含まれるかどうか。手引きに記載がありません

※本記事は2026年8月31日時点の公開情報にもとづきます。金額は内閣府沖縄担当部局「令和9年度沖縄振興予算概算要求の概要」ほかの記載によります。同資料は百万円単位で、四捨五入の関係で合計が一致しない場合があると注記されています。億円表記は筆者の換算です。2,714億円は過去4年の削減率から算出した筆者の試算で、公表された数字ではありません。雇用統計は令和8年7月分の1か月の数値です。税制の内容は令和7年4月版の県の手引きによるもので、今後の改正で変わります。

出典